【学習の構造——行動とは「現実へのテスト」と考える】
多くの人は、決めて行動した結果を「成功」か「失敗」の二元論で評価しがちです。しかし、これでは「失敗」したときにめげてしまいますし、「成功」したときの再現性もありません。このとらえ方は本質的なのでしょうか。
行動とは、「自分が決めたことが現実世界でどう機能するか」を確かめるためのテストに過ぎないと考えるのはどうでしょうか。少しは気が楽になるのではないでしょうか。
テストをしたなら、結果のデータを回収し、分析しなければならない。。
一歩踏み出したあとに振り返らないのは、実験だけしてデータを捨てているのと同じです。
この分析が振り返りです。「振り返り」とは、**「経験」を確実な「資産」に変換するプロセスなのです。その「資産」が「知性」に深化していくものだと思います。
【意志力の幻想——問題は「意志力の欠如」ではなく「仕組みの欠如」である】
私はある朝、自分の頭が重く、「今日は自分のリズむではない」と感じ、リズムを取り戻すため積極的にその日は、会社を休むことを決め、休んだことがあります。その日は重要な会議があり、今までの自分では無理して会社に行っただろう日です。「会議をキャンセルして、休む決断をした」という行動から、どのようなデータが得られたのでしょうか。
機能した点としては、その時は、自己効力感が得られた点です。体が軽くなり、「自分でコントロールしている」という実感を感じました。
機能しなかった点としては、再現性がなかった点です。同じような状況の別の日で、自分のリズムではないと感じたのに、今度は、会社に行かなくちゃと思い、休むことができませんでした。つまり、再現性はなかったのです。
ここで「自分は首尾一貫していない。気まぐれだ。意志が弱い。自分のリズムで生きると決めたのに。」と自己否定に走るのは、非常に非生産的です。
なぜなら。意志力というのは、非常に不確かなものだからです。意志力に頼らず、「リズムが整わない日は休むことがデフォルトになる仕組み」が欠如していたと考えるのはどうでしょうか。
そのように考えれば、「リズムが整わないと感じたい点で、カレンダーに“休”と記載し、ブロックを入れたり」「自分のリズムを保つには1か月に1回有給を事前にとっておく。」ということができます。会社の規則ででとっているのではなく、自分のリズムを保つためにとっているのです。
自分からのフィードバックを受けて自分の目指す行動をしやすい仕組みを構築するのです。
【3つの反応——すべては「現実からの応答」に過ぎない】
「実行できた」「実行できなかった」「まだ何をするか決めていない」の3パターンについて考えてみましょう。これらはすべて仕組みを作るためのデータだが得られたと考えるのです。
「スマホを11時に置くと決めたが、3日続けられたが、4日目はスマホを見てしまった。」
素晴らしい。この場合は、 3日機能するシステムが構築できたというデータが得られたと考えるのです。例えば3日続けて、1日休み、3日続けるという仕組みが構築できるかもしれません。
「毎日15分散歩すると決めたが、雨で断念した」
素晴らしい。この場合は、「雨」という外部環境の変数をシステムに組み込めていなかったというデータが得られたと考えるのです。雨の日の代替案を用意すれば解決します。
例えば、雨の日は、15分のストレッチにするという仕組みができるかもしれません。
「何を行動するか決めること自体ができなかった」
素晴らしい。この場合は、「自分の正確な現在地データが得られた」と考えるのです。決断するための前提知識やエネルギーが不足しているのかもしれません。その理由を深堀すれば、もっとインプットを増やすために本を読もうとか、もっとエネルギーを蓄えるために、旅行に行ってみようとかの行動の方向性が出てくるかもしれません。
どれも、現実があなたに返してくれた「応答」です。
そこに良いも悪いもありません。ただ、その応答をデータととらえ、どう処理するかに焦点を当ててみるのです。
【パラダイムの移行——停滞の正体】
「何度も同じ失敗を繰り返してしまう」「うまくいっていたのに、またできなくなった」
こういう時、人はスランプに陥ったと錯覚します。
しかし、それは出口のないスランプととらえるのではなく「停滞期」ととらえてみるのです。
人間の脳は、新しい概念や習慣を取り入れるとき、既存の認識の枠組みを一度壊し、新しく再構築する必要があります。
この「再構築」の期間中は、一時的にパフォーマンスが落ちたり、元の習慣に引き戻されたりするように感じます。
しかし水面下では、確実に新しいパラダイムへの移行が進んでいる。だから、ここで焦らず、淡々と、データの収集と仕組みの微調整を続けていればいいのです。
【なぜ50代に「振り返り」が不可欠なのか】
50代という年齢は、これまで会社や社会といった「他者のパラダイム」の中で、他者の基準による評価(フィードバック)を受けてきた期間が長い世代です。
そこから抜け出し、「本当の自分に目覚める」ということは、「自らのパラダイム」を自分で構築し直すということに他なりません。
他人の基準ではなく、自分の基準でフィードバックループを回す。 自分の本質にあった一歩を踏み出したか?そして 現実はどう応答したか? なぜその応答が返ってきたのか? 次の行動に向けて、仕組をどう修正するか?
50代の多くの方が、仕事ではフィードバックから改善活動をしていたと思います。同じように、現実からの応答を自己観察することから、自分のリズムで生きていく仕組みを構築していくのです。
【自己観察をしてみる】
自分で決めた「たった1つのこと」について、以下の3つの視点で整理してみてください。
1つ目は 事実の観測 です。実行した結果、現実はどう応答したか?
2つ目は構造の分析です。 なぜその結果になったのか?意志力の問題ではなく、環境や構造/仕組みの視点で。
3つ目はシステムの更新 です。次のテストに向けて、ルールや環境をどう微調整するのか?
3つ目の「微調整」が「進化」になります。
あなたの分析結果を実際に書き出してみてください。言語化することで、あなたの脳内の認識はより強固に定着します。
コメントをくださった方、あなたのフィードバックがこの場全体を豊かにしています。ありがとうございます。
それでは、また次回お会いしましょう。まなぶでした。


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